悪食緋蒼は×××なのか?
新作文庫部門第14位
ノミネート作品
正直に言う。 これ、軽い気持ちで読み始めると後半で脳を焼かれる。 ラノベだと思って油断していたら、推理が殴ってきて、異能バトルが追撃して、最後に「×××」が残る。 読み終わったあと、しばらくタイトルを見返すタイプのやつだ。
✏️ 作品概要(あらすじ)
人に擬態する異形・殺戮魔から人々を護る存在、《探偵》――駆け出しの探偵・冴木探流は、ある依頼を遂行中に殺戮魔と遭遇する。阿鼻叫喚の中、探流の前に現れる謎の美少女・悪食緋蒼。苦戦する探流たちを尻目に、緋蒼は事も無げに殺戮魔を斃して言い放つ。「ねえ探流くん、あなた――緋蒼の探偵さんになってくれないかしら?」その後は探偵候補生の来宇・聖華を仲間に加えて、母校・ホームズ高校の候補生を狙う連続殺人犯《心臓偏食家の殺戮魔》を追う探流だったが、事件は想定外の展開に……。混迷深まる事件究明の鍵は喪われた探流の能力《超探偵》。果たして驚くべき事件の真相とは? そして何より……悪食緋蒼は何者なのか? 気鋭の新星が描く超感覚ミステリ登場!!
✨ 筆者がプッシュする魅力3選
1. 「ラノベあるある」を信じた読者から順に刺される
入浴シーン、軽口、ちょっとしたサービス描写。 全部「はいはいラノベね」と流した瞬間、それが伏線として牙を剥く。 後半で気づいたときの「あっ……」という感覚が気持ちよくて、ちょっと悔しい。
2. 推理とバトルが喧嘩しない設計
本作は、推理で正体を暴かないと何も始まらない。 殴れば解決、ではないし、推理だけで終わらせもしない。 探偵が答えを出し、化け物を倒す役割がはっきり分かれているから、展開がブレない。
3. タイトルの「×××」が最後まで仕事をする
悪食緋蒼は強くて、距離が近くて、どこか安心感すらある。 それなのに、最後まで「何者なのか」は断言されない。 この未確定のまま放り出される感じが、読後にじわじわ効いてくる。
✅こんな人にオススメ
- ラノベ文脈でミステリを浴びたい人
- 伏線回収で脳内が一気につながる瞬間が好きな人
- ヒロインの正体が曖昧なまま残る余韻を噛み締めたい人