次にくるライトノベル大賞2025(次ラノ2025)ノミネート作品の中でも、
ラブコメ枠はとにかく数が多く、方向性もバラバラだ。
甘さ全振り、すれ違い特化、関係性の歪みを描くなどなど多岐にわたる。
そのため「ラブコメ」という一言では片づけられない作品が、今年は特に揃っている。
この記事では、
“読後に何が残るか”を基準に、
次ラノ2025ノミネート作品の中から、今読んでおきたいラブコメを本気で選んだ。
別ジャンルのまとめを見に行く
今回の選定基準
- ただ甘いだけで終わらない
- 関係性にズレ・歪み・一方通行がある
- 読み終わったあと、感情の置き場に少し困る
いわゆる「消費型ラブコメ」ではなく、
感情の引っかかりが残るタイプを中心に選んでいる。
よって、初恋は証明された。
―デルタとガンマの理学部ノート―

理屈で恋を測ろうとする二人の関係が、
仮説と検証を繰り返しながら、少しずつズレていく理系ラブコメ。
冷静に組み立てられた会話の中で、
最後に残るのは「説明しきれなかった感情」だけ、という構図が強い。
恋を証明できた瞬間、
いちばん大事なものが証明不能になる。
その後味が、静かに効いてくる一作だ。
雨森潤奈は湿度が高い

読後にまず残るのは、
「なんか……じめっとしてたな……」という感触。
でもそれは不快な湿気じゃない。
梅雨の放課後、窓の外で雨が降っていて、
隣に距離感バグった女の子がいるタイプの湿度だ。
無表情・ダウナー・距離感ゼロ。
軽口を叩くのに、愛情だけはやたらと重い。
何も決定的なことは起きていないのに、
感情だけが逃げ場を失っていく。
その感覚を“湿度”で押し切ってくるジメジメしたラブコメである。
今さらですが、幼なじみを好きになってしまいました

幼なじみって、近すぎて、いちばん遠い。
隣にいるのが当たり前だった相手を、
ある日突然「恋」として見てしまった瞬間から、
日常の全部が静かに刺さり始める。
派手な事件はない。
でも、気づいてしまった以上、もう元には戻れない。
安心感と後悔が同時に積み重なっていく、
“最初から詰んでる距離感”を描く幼なじみラブコメだ。
あそびのかんけい

関係は軽い。
気持ちは重い。
「遊び」から始まる関係が、
読み進めるほどに意味を反転させていくラブコメだ。
章構成や時系列の揺らし方はトリッキーだが、
点と点が繋がった瞬間の気持ちよさは、
ラブコメというよりミステリーに近い。
どちらかが本気になった時点で、
この関係は成立しない。
最初からそんな不安を孕んでいる。
あの子は可愛い男の子。

「女装男子が可愛いラブコメ」で済ませた瞬間に、
読み方を間違える作品。
秘密を共有した瞬間、
二人の関係の向きがヌルっと変質して、戻れなくなる。
描いているのはギミックではなく、
知ってしまった側の感情だ。
好意・戸惑い・罪悪感が混ざり合い、
どこにも正解がないまま進んでいく関係性が、後に残る。
まとめ|次ラノ結果発表前に読んでおきたいラブコメ
次ラノ2025のラブコメ枠は、
「どれが一番甘いか」では測れない。
今回挙げた作品は、
読み終えたあとに感情の置き場所を探すことになるタイプばかりだ。
2月の結果発表でどう評価されるかは別として、
ラブコメ好きなら、今のうちに触れておいて損はない。